地方シェアリングシティ作りに向いているサービス10選

シェアエコで地域創生


参照元:シェアリングエコノミー協会

福井県でシェアリングシティ作りの取り組みを開始してから3ヶ月。
実際に福井県在住の30人以上とお話しさせて頂いた上で、今後の戦略をまとめました。

地方シェアリングシティとは、国や自治体による「公助」だけでは補いきれない部分を「共助」の仕組みでサポートし、豊かな人間関係をITを通じて自然に生み出すことで地域活性化に成功した街であると考えています。

世界のシェアリングシティの成功事例は「人口密集地」の成功モデルであり、日本の地方のような場所でのシェアリングシティの成功例はまだありません。

人口密集地ゆえに、遊休資産(空きスペースなど)が市場化した時のニーズが高く、対面でのマッチングも容易で、シェア経済が活性化しやすい環境です。

人口の少ない地方では、そもそも「空き家」「空きスペース」だらけであり、車も一家に一台ないと暮らせないのでほぼ皆持っている状況。空間のシェアやカーシェアはマッチングの為の需要と供給のバランスが悪いのが事実。

そんな地方シェアリングシティならではの作り方を3ヶ月間模索し、そもそもどういったサービスが地方に向いているのかを整理しました。

※この記事でいう「地方」とは北陸にある福井県くらいの場所を指しています。(人口約78万人。都道府県別人口でワースト5位)

地方シェアリングシティ作りに向いているサービスと向いていないサービス

地方に向いているサービス10選

■対面型の総合スキルシェア(エニタイムズ
【収入効果】 月数千円~1万円 【人間関係の豊かさ向上】 ★★★★★

全国区で使えるスキルシェア。中間マージン15%のみ。アプリでは設定した地域のみにセグメント可能。家事、労働系が多く、10人中10人に登録をオススメするサービス。
まだ地方にはない専門特化型シェアサービスの代用としても活用。(例えば、都会にしかない家事シェアの「タスカジ」、犬預かりの「DogHuggy(ドッグハギー)」と同じサービスをエニタイムズ内で実現できる)

■非対面型スキルシェア(ココナラランサーズクラウドワークスボイスマルシェ
【収入効果】 月数千円~月30万 【人間関係の豊かさ向上】 ★★
全国の人相手に、住んでいる場所関係なしにオンライン上でスキルを売買できる。自営業タイプは、サービスを自分で定義できる「ココナラ」向き。サラリーマンタイプは「クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)」をオススメしています。
ボイスマルシェは女性専用の匿名相談サービスで、何かしらカウンセリング・相談スキルのある主婦向け。

■対面型スキルシェア(ストアカタイムチケット
【収入効果】 月数千円~月5万  【人間関係の豊かさ向上】 ★★★★★
収入だけでなく、対面型ゆえに人間関係が繋がりやすいサービス。
ストアカはアプリ上では特定地域のみにセグメント可能。中間マージン20%のみ。
タイムチケットは対面+電話対応も可能。Facebook連動必須&一対一の対面ゆえに、つながりを作る力はシェアエコサービスの中でもトップクラス。

■子育てシェア(アズママキッズライン
【収入効果】-【子育て負担軽減】★★★★★
アズママは、リアルな人間関係の人同士で1時間500円で子供の預け合いをするサービス。無償の預け合いは気を遣う為、結果的に頼り合いをしなくなることを防ぐためのサービス。中間マージン0円で保険も完備。(サービス運用費は広告費などで集めている)
キッズラインは1時間1,000円からのベビーシッターのシェアサービス。

※福井県鯖江市の場合、すでに子育て支援サービスが割と充実している為、既存サービスとの棲み分けを考えた上で広める必要あり

■外人向け民泊(Airbnb
【収入効果】 月数千円~月10万。 【人間関係の豊かさ向上】 ★★★★★

民泊。家に外国人をホームステイさせるサービス。異文化交流を楽しみながらも収入を得られる。
2017年には約3千万人の訪日外国人がいて、定番の日本旅行に飽きた外国人が、日本の田舎体験を目指してくる受け皿として今後の伸び代が大きい。

※民泊NGな地域も、例えば年1回の大型イベント(祭りなど)の時期だけは民泊解禁するなど、自治体の柔軟な対応が必要

地方に向いているけどまだ市場が未発達なサービス3選

■日本人向け地方体験(TABICA
【収入効果】 今後の伸びに期待! 【人間関係の豊かさ向上】 ★★★★★

日本人向けに地方体験を提供するサービス。サービスの種類は、「街歩き」「ワークショップ」「自然体験、農業体験」。具体例としては、パワースポット巡り、たけのこ掘り体験など。

有名な観光地でなくても切り口次第で人気サービスをクリエイトできるはずです。売れる為のキーワードは「非日常体験」。都市部と地域で「関係人口」を増やせるサービス。

■日本人向けお寺体験・宿泊(お寺ステイ
【収入効果】 今後の伸びに期待!

民泊のお寺バージョン。宿泊だけでなく、体験だけを楽しむことも可能。禅・マインドフルネスなどに興味のある方向け。まだ、提供サービス数が少なく発展途上。
※駅近くで外国人が訪問しやすく、宿泊施設が併設されたり、住職にやる気があるなどの条件を満たす必要あり

■白タク・短距離ライドシェア(Uber ※そもそも日本の現状の法律では白タクがNG。
地方は移動手段が少なく、一般的なタクシー会社がではカバーしにくい過疎地域を白タク解禁でカバーできるという意味で地方と相性の良いサービス。
特に、広大な土地がある北海道の高齢者・過疎地域などで必要性が高い。日本で唯一のUberの地方活用事例としては「中頓別ライドシェア」が有名。白タクは利益発生すると日本でNGなので、利用者側は実費のみ負担でUberアプリを活用する施策。
通常のタクシーでは採算の取りにくい地域限定で、白タクの解禁は一刻も早く推進してほしいです。

条件付きで向いている or あまり向いていないサービス6選

■カーシェア(エニカシェアのり
CtoC型のカーシェア。地方は一家に1台の車があるのが基本なので、中々マッチングが起きないのも事実。
ただ、一度マッチングしたことをキッカケに定期的に利用されたり、売買に繋がる可能性もある為、登録自体は基本的にオススメです。

■場所のシェア(スペースマーケットスペイシー軒先akippa
場所のシェアは「ピンポイントで使えそうな場所」に絞って普及促進する予定です。

例えば、福井県鯖江市の場合、有名アーティストが利用するコンサート会場(サンドーム)近辺の駐車場が埋まりやすい為、サンドーム周辺の駐車所のakippa登録は積極的に推進する予定です。
また、空き家・空きスペース活用としては、総務省のおためしサテライトオフィスのように都市部のオフィス誘致とセットで活用するのが経済効果が高いです。

地方は貸せるスペースは多いのですが、借りる側が圧倒的に少なく、マッチングが起きる可能性が低いのが問題点。
一般的なスペースだと「既存の公共施設を使う」「無料で開放している場所を使う」という選択肢も多いので必要性は低めです。

一般的な場所のシェアについては、都市・地方都市から1時間程度で行ける範囲を超えてしまうと、効果が薄れていくと考えています。

場所のシェアは、一般家庭のリビングのスペースを貸すというより、「無人島」「山」「結婚式場」「木造校舎」「撮影スタジオ」などの特殊な不動産を持っている人にピンポイントで登録してもらうことを狙います。

とはいえ、空いているスペースがあれば登録だけしておくのはオススメしたい。それキッカケで不動産の買い取り話になる可能性もありますし、登録に費用はかかならいので利用者がいればラッキーくらいの気持ちで活用するのがオススメです。

普及してほしいけど、現状は向いていないサービス

■介護のシェア(地方で使えるサービスなし)
介護を必要とする人達の年代が高齢であり、そもそもスマホが使えない人が多いのが問題。
若者の間でさえシェアエコ活用が進んでいないのに、地方の高齢者に普及させるのはさらに困難です。

広まるべきサービスではありますが、直近数年は広める努力をしても効果がイメージできないです。

※高齢者ばかりの限界集落に近い場所はシェアリングシティによる地方創生がそもそも向いていません。スマホを普段から活用でききることが大前提なので、ある程度若者もいる場所がシェアリングシティ向きです。

地方シェアリングシティ作りに向いているサービスまとめ

人口密集地のシェアリングシティと比較した時に、地方シェアリングシティは「非対面型スキルシェア」「外人向け民泊」が主軸になるはずです。

一方、広まるべきサービスとして、「人との自然なつながり」ができる「対面型スキルシェア」。関係人口を増やすことができる「日本人向け地方体験」は力づくで普及していきたいです。

地方の中でも高齢・過疎地域であれば「白タク(Uber)」の解禁で、高齢者の移動手段の確保。

そして日本の少子高齢化に対応する為、10年後の地方シェアリングシティの目標の一つとして、普及が最も難しい「介護のシェアエコ」が広まる程にシェアエコの価値観が浸透できる土台作りができればと考えています。