シェアリングエコノミーとは?本当のメリット・デメリット計20選

戦略活用コラム

シェアリングエコノミーって結局なんなの?
メリット、デメリットは具体的に何があるのか?

この分野の全体像が何かをイマイチ掴めていない人が多いのではないでしょうか。
そんな人向けに全体像を分かりやすく解説しました。

シェアリングエコノミーとは何か?

「スキル」「モノ」「スペース」「移動」「お金」などの5領域を、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組みのこと。

利用ユーザーがゲスト(購入者)とホスト(販売者)に分かれて、需要と供給をマッチングさせて、その後に相互でレビュー評価をする仕組みが基本です。

主に個人間取引(CtoCビジネス)のことを指すことが多いのですが、その形態はBtoC、CtoB、BtoBなどすべての形態も網羅しています。

「共有型経済」と呼ばれたり、業界では通称、「シェアエコ」と略すこともあります。

「大量生産・大量消費」を前提とした資本主義へのアンチテーゼとしての「循環型経済」という側面もあれば、「企業経済」のように安定はしているけど画一的なサービスに対して、個人の多様性や自主性を尊重した「個人経済」という側面も担っています。

シェアエコに関連する分野も多く、シェアハウスでの暮らし方など共同住宅(シェアハウス)での生活について同時に語られることもあります。

シェアリングエコノミー関連用語集

  • プラットフォーム…ゲスト(購入者)とホスト(販売者)をマッチングさせて、決済、相互レビューなどの機能を提供する企業
  • シェアワーカー…シェアリングエコノミーを活用して働くホストの言い換え。分かち合う(シェア)という意味合いも含まれている言い方。
  • プラットフォームワーカー…プラットフォームを通じて働く人を最もシンプルに表現したワード。それ以外の自営業者との対比に使う言い方。
  • ギグワーカー…ギグ(単発の仕事)で働く人。雇用契約を結んで長期で働く人との対比で使う言い方。
  • コラボレイティブエコノミー…企業経済と個人経済の両方が上手くコラボして調和が取れている経済圏を表現する時の言い方。

シェアサービス利用の計11つのメリット

ホスト視点の3つのメリット

  1. 「自由な働き方」「人間らしい働き方」「自分らしい働き方」「個人主体の働き方」が実現
    企業でのマニュアル的な働き方ではなく、個人間取引(CtoC)主体なので、本人にサービス作りの裁量があり、昔の個人商店街のような人間らしい働き方ができる。各種シェアサービス利用を極めると、好きな時間に好きな場所で好きな事を仕事にする個人主体のライフスタイルが実現。
  2. 今すでに持っているものだけでも収入アップ
    個人の遊休資産の活用で、基本的にはプラスαで何かを生産・習得する必要なし。月1円にもならなかったことが月1万円~5万円の収入になる。
    (「昔からの空き部屋を貸し出す」「スマホアプリのオススメな使い方を1時間3千円で教える」など)
  3. 一芸に秀でた個人がエンパワーメントされて報われる場所
    レビュー評価による競争で勝ち抜いた個人に仕事が集中し、高時給で仕事ができるようになる。
    会社のように平均的な能力が高い人が評価されるのではなく、「一つのことだけを頑張ってきた人」が報われやすい場所。あくまで月1~5万を稼ぐのがメインの為の場所なので、本業収入(月25万円以上)に達する人は販売ホストの中でも数百人に1人レベル。ここで自信をつけて独立・開業のステップアップにする人も多い。

ゲスト(個人・法人)視点の2つのメリット

  1. 個人スキル活用で各サービスが格安で購入できる
    スキルシェア(CtoC)、クラウドソーシング(主にCtoB)で個人の尖ったスキルを、従来の相場価格の50%~75%OFF以下の値段で購入できる。資本力の少ないベンチャー・中小企業もスキルを簡単に調達できる環境に。(逆に言うと、社内資本の維持コストが多い大企業が不利な時代に)個人相手でもサービスのクオリティは「レビュー機能」が担保。レビュー評価を勝ち抜いた個人サービスが法人よりサービス品質で上回ることは珍しくない。
  2. 低価格で多様な商品・サービスの使用を楽しめる
    同じものをみんなでシェアするから従来価格よりも何倍も安く、商品・サービスの使用を楽しめる。商品の「所有」ではなく、「使用」に価値を見出す消費行動。
    (例:月額8千円で毎月3着(4.5万相当)の服がレンタルできるサービスや月額4万円で多拠点住み放題サービスなど)

社会的な6つのメリット

  1. 人の自然なつながりが復活して無縁社会の解決に
    「助けてほしい人」「助けられる人」同士のつながりは従来の人間関係の自然な接点になりやすい。「同じテーマに興味がある人同士」や「分かち合う喜び」によって、仲が深まりやすい。ただ、サービス利用時に相手と無理して仲良くなる必要があるわけではないので、人間関係で疲弊することもない。

    一般的な、異業種交流会などの「交流の為の交流の場」は疲弊しやすいデメリットがある一方で、シェアサービスは自然に価値観の近い人とだけ人間関係が築かれていくエコシステムとしての機能が魅力である。GDPには反映されない人間らしい生き方ができる豊かさがある。

    (「民泊で泊まった家の人と仲良くなり、3時間以上語り合う。」「対面でサービス提供後にカフェで雑談をする」など。

  2. 社会全体の需要と供給のマッチングの精度が上がって「生産性」が向上する
    社会に眠っていた遊休資産が市場にでてくるので、より合理的で生産性の高い社会になる。シェアサービスが普及することは、既存産業の市場シェアを奪う面もありつつも、総合的には新しい市場創出による社会へのプラス効果の方が大きい。
  3. モノを買わない時代の新しい市場創出
    「モノ」消費から「コト」消費への移行の受け皿。(観光分野でも現地で「モノ」を買うより、現地ならではの「コト」(体験)を楽しみたい人が増えている)レンタル型シェアサービス(BtoC、CtoC)は多様な消費ニーズを刈り取る受け皿にも。(格安で色んな服・バッグが持てるなど)「法人サービスより単価が安いから、消費が落ち込む」という意見もありますが、実態としては一度使うと皆ハマってリピーターになって消費を増やす効果が強い。
  4. サスティナブル社会の実現
    資源の有効活用で持続可能な社会に近づける。ある人にとって「死んでいた価値」が、ある人にとっては「価値」になる。シェアサービスが流行るほど、社会の需要と供給のマッチングの精度が上がるので、社会全体の無駄が減る。(中古品の売買や、近所の廃棄食品を受け取れるサービスなど。逆に、副作用として各サービスの平均単価が下がることで割を食う人も発生。市場に供給者が増えたことによる市場原理が働いているだけなのでシェアサービスが本質的に悪いわけではない。「本来の価値以上の価格」で売ることが難しい時代になる。
  5. 「グレーゾーン弱者」「隠れ弱者」が救われる場所になる
    社会の中で明確に弱者と位置づけられるほどではない「弱者」が救われる場所になる。(家庭内でこだわりの料理をしていたけど旦那に何も褒めてもらえない主婦が、家事代行のレビュー評価で人気ランカーになって精神的・経済的に報われる、など)
  6. 将来的な地方創生の有効施策の一つになる
    財政の厳しくなることが予測される日本の行政サービス(公助)ではカバーできない地方で個人の助け合い(共助)を実現。また、地方在住でもITを通じて収入の確保になり、地元が「離島」などでもUターンして、その場所で働ける時代になる。(ご近所サポートのシェア、オンラインのスキルシェアなど)

    ただし、地方の行政サービスに余裕がある場合は、代替サービスであるシェアサービスは地方で広まりにくい。行政サービスが限界を迎えた後に、必然的にシェアサービスが急激に浸透をはじめる。(例えば、介護分野への行政の補助金がなくなると、個人同士の介護シェアサービスを頼る人が増える。)(

シェアサービス利用の計8つのデメリット

ホスト視点の3つのデメリット

  1. 収入が安定しない。
    プラットフォームの全体最適化の都合で、一部の個人の収入が大幅に減るような仕様変更も起こりやすい。時間や場所に捉われない収入が入るものの、メイン収入源には基本的に向いてない。長期で続く収入と考えずに、次のキャリアステップに積極的に進んだり、ポートフォリオワーカーとなって複数の収入源を作る努力が必要となる。
  2. 自営業な働き方なので社会保障が少ない。
    自営業に社会保障が少ないことはシェアエコに限った話ではないのですが、一般的な個人でも自営業になりやすい時代に対して、社会が守る仕組みが少ない。
  3. レビュー評価は悪意のある人がいると弱い。
    レビュー評価する側(購入者)の悪意によって、悪い口コミが書かれて、ホスト側の売上がガタンと減る場合がある。「レビュー評価の仕組み」はプラットフォームを強力に全体最適化するものの、個別事例では救われないような事象も一部で起きる可能性がある。良いレビューを貯めているホストに対して、レビューの少ないゲスト側が「力関係が上だ」と考えて脅しのようなことをする人も実際にいる。Airbnbの規約のような「脅迫禁止ポリシー」を各プラットフォームも用意すべきである。

ゲスト視点の2つのデメリット

  1. 商品・サービス提供が想定通りの内容になるのかは不確実になる。
    ただの個人が販売者になれるサービスゆえに、その人の個人的な都合でサービス中止になったり、サービス品質にバラツキが生じる可能性がある。それゆえ、絶対に失敗できない時の用事には向いていない。(「大規模イベントの大事な手伝いをレビュー評価の少ない人に依頼する」など)
  2. レビュー評価のない相手だと、サービスの実験台の立場になる。
    新規登録したばかりの人は、レビュー評価による信用の担保がないため、はじめに購入する人はその分のリスクを背負うことになる。はじめに購入するリスクテイカーがいないとシェアサービスは成長しない。

社会的な3つのデメリット

  1. 不安定な立場で働く人が増える。
    ギグエコノミー(単発契約)な働き方であり、雇用関係にはならないので、社会的に不安定な立場の人が増える。自営業な個人が増えていくので、自立して働かないとけない社会構造になっていく。自営業な働き方で自由に働けるという側面では社会全体としてはプラスではあるものの、収入依存しすぎると良くないケースもある。あくまで副業によるプラスαの収入と考えている人にはデメリットはない。
  2. 一部の正社員の給料が相対的に減る。
    シェアエコで安く発注することができる時代になった分、一部の企業の利益が圧迫されるため、そこで働いている人の給料が減る。(デザイナー、ライターの会社など)セミプロにはできないプロのサービスを提供する必要がある時代になる。
  3. モノがより売れない社会になる。
    個人間で資産を分かち合うエコシステムは、新しい企業の商品が売れにくい経済に近づくことになる。本来、個人同士が資産を分かち合っていれば、需要がなかったモノが売れなくなっただけとも言える。

    この流れは社会構造の大きな潮流で不可逆的である。日本経済は得意な「モノ作り産業」ではなく、今後市場が拡大していくサービス産業やIT産業をメインとする産業構造の変化が求められる。個人のキャリアとしては斜陽産業を支えることよりも、新産業への積極的な移行が大事になっている。

シェアリングエコノミーの解説まとめ

シェアエコは一長一短ありますが、従来社会の「個人が人間らしく働きにくい企業社会」「人と自然につながる接点がない無縁社会」「大量生産・大量消費社会」の欠点を一度に克服することができる日本社会の今後の大きな希望として社会全体に圧倒的なプラスの効果をもたらします。

多様なメリットを内包している分野ゆえに、全体感が世の中に広まりにくいのですが、社会の新しいエコシステムとして生活に積極的に取り入れていくことをオススメします。

シェアサービスを実際に使ってみたいと思った方は、以下の記事をご参考にしてください。
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